●英名:Garlic
●和漢名:蒜苗(スワンミョウ)、大蒜(にんにく、おおびる)
●学名:Allium sativum L.
●科名:ユリ科の多年生草本
●原産地:中央アジア、キルギス
●主産地:エジプト、イタリア、スペイン、ブルガリア、ハンガリー、アメリカ、フランス、ドイツ、中国、韓国、日本など
原産地は、中央アジア、キルギス
※1である。肉などの消臭に最も効果があり、世界中で広く使われているスパイスである。
一般的には、ガーリックは地下の鱗茎
※2が成熟したものを利用するが、発葉したての若葉(蒜苗)や、直径5〜6mmの棒状に生長したもの(にんにくの芽)も料理に利用されている。
※1 キルギス…正式国名はキルギス共和国。首都はビシュケクで人口約490万人。中央アジアのカザフスタンと中国の間に位置する。
※2 鱗茎…地下茎の周りの葉が肉厚で球状になったもの。ガーリック、タマネギ、ユリネなど。
ガーリックには多数の種類がある。主なものは次の3種である。
1.西洋にんにく…欧州およびインド、中国北部で栽培されている。
2.大蒜、大にんにく…中国、朝鮮、日本で栽培されている。西洋にんにくよりも、根茎、鱗(りん)片ともに大きく、辛味が弱い。
3.姫にんにく…日本でも産するが、ほとんど栽培されていない。
3種とも含有成分や用途は同じである。日本における主な栽培品種は2の大にんにくである。この改良品種として、在来種・六片種・遠州早生・壱州早生がある。
ガーリックには特有の刺激的な香味がある。全体に香味があるが、もっとも強いのは鱗茎部分である。そのままの状態ではほとんど匂いはないが、切ったりつぶしたりすると強烈な匂いを発する。この仕組みは、葉茎、鱗茎中に含まれるアリーンという成分が、酵素よってアリシンという成分に変化するためである。このアリシンこそが、あのガーリック特有の刺激臭の正体なのである。
しかし、煮込んだり炒めたりなどして加熱すれば、酵素が働かなくなるため、刺激臭や辛みが弱まり、食欲をそそるよい香味に変わる。
乾燥ガーリックは、生のガーリックよりも香りが弱い。しかし、水を加えてもどし、酵素が作用する状態にすると、その特徴的な匂いを発するようになる。
このようにガーリックの臭いの性質を知っておくと、料理する際に便利である。
■ガーリックは、世界のいろいろな料理に合うが、特に肉類や魚介類の消臭には絶大な効果を発揮する。
■肉類の消臭には、ガーリックを調理中もしくは下ごしらえの際に加えると、より効果的である。さらに加熱することにより、豊かなコクと風味が加わるのである。
■ガーリックを生のままおろしてドレッシングに加えたり、ガーリックバターを作ってガーリックトーストにしてもおいしい。食用油や酢、しょうゆなどに漬け込み、調理に利用する方法もある。
■最近、蒜苗をスーパーの店頭でよく見かけるようになった。中華料理ではよく使われているが、ガーリックほど強い匂いはなく、にらやねぎと同じように調理するとよい。芳香と歯ごたえがあるため、炒め物には最適である。
ガーリックは、古代より民間薬として利用されてきた。
またガーリックに含まれる有機イオウ化合物には、抗ガン作用、風邪予防、肝機能活性、糖質代謝、去痰作用、高血圧改善、血行促進、疲労回復、老化防止、抜群の殺菌力など、数多くの薬理作用があげられている。
■ガーリックは、株芽もしくは鱗茎を植えつける栄養繁殖法で栽培する。一般的には鱗茎を用いる。直径4〜5cm以上の鱗茎で大きさが揃っており、締まりがよく形のよいものを選ぶ。小鱗茎を切り離し使用する。
■日当たりがよく、肥沃な砂地、ローム状土壌が適している。小鱗片を20cm間隔で植える。
■小鱗片の植えつけ後、6〜8ヵ月で収穫できるが、生育は温度条件により左右されるため、日中の温度が高く、特に生育期の後半に温度が高い方がよい。
ガーリックは、カレー料理には欠かせない食材の一つである。カレーにガーリックが入れば、コクと旨味が倍増する。逆に、ガーリックが入らないと、何か物足りない気がする。それほどまでに、ガーリックは味・風味ともに重要な役目を果たしている。
ガーリックを加熱すると、なんとも言いようのない美味しそうな匂いがしてくる。その匂いをかいだだけで食欲がわいてくる。この匂いのもとであるアリシンは、切ったり潰したりして酸素に触れることによって発生するのだが、ビタミンB1と結合することによって脳を活性化させ、疲労回復に役立つ。また、疲労物質である乳酸を、エネルギーに変えてくれる。
ガーリックを始め、カレーに使われるいくつものスパイスは、食べる者に対していつくもの効果を与えてくれる。身体のみならず、心までも改善してくれるのである。まさにカレーは“魔法の料理”である。